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〜医者はどこまで患者と向き合っているか?〜主治医はあなた【随時更新】

現代の医療のあり方に一石を投じ、これからの医療の可能性を模索する。
心身統合医療に力を注ぐ、医師・樋田和彦のメッセージ。

主治医はあなた

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最初は信じがたかった
Oリングテストが、
診療に欠かせない存在となるまで。

■Oリングテストとの出会い

1985年3月、東京の野口英世記念館において、『西洋医学と東洋医学の結合による新しい診断法 ― Bi Digital O-Ring Test(バイディジタル Oリングテスト)の実習』というセミナーが催されました。それは創始者である大村恵昭教授をニューヨークから招く、日本初のセミナーでした。大村先生はニューヨーク心臓病研究所所長であり、マサチューセッツ工科大学教授、シカゴ薬科大学客員教授も兼任される世界的に有名な先生でした。会場は超満員で、私も好奇心いっぱいで出席いたしました。

とはいえ、大村先生の講演内容は、それまで経験した医学とは全く異なる次元のものであり、正直を言いますと、にわかに信じがたいものでした。二本の指でOの形のリングをつくり、他者がそのリングを両手で引っぱって、指が離れるかどうかという反応で診断するというものです。指を使うだけの行為で、臓器器官の機能を調べることも、体に有効な薬剤や食品を選び出すことも可能となり、さらには細菌やウイルスの同定、東洋医学における内臓体壁反射などが明らかになるというのですから、狐につままれたような話です。

その後、半年ごとに関西と関東でセミナーが開かれました。私はいずれのセミナーにも出席し、大きな関心と興味を寄せていたものの、実際の診療に取り入れる勇気はありませんでした。

ある時、ニューヨークの大村先生からお電話をいただきました。

「Oリングテストを診療に使っていますか?」
「いいえ、一度も使ったことはありません」
「どうしてですか? これほど、精度の高い方法なのに」

このように、大村先生にお叱りを受けたこともありました。それでも、診療にOリングテストを取り入れることにはためらいがありました。医師会や医学界などから「奇抜な検査法」と非難されることを恐れたのです。

■初めてOリングテストで診察をした日

それから何か月か過ぎた頃、忘れもしないことが起こりました。午前に診察治療した女性の患者さんが、午後再び来院されてこう言いました。

「処方していただいた薬を飲んだら、こんな状態になりました」。
顔は真っ赤で呼吸困難の状態は、明らかに薬物アレルギーによるものです。カルテを確認すると、3種類の薬が投薬されており、そのひとつはペニシリン系の抗生物質でした。私の診療上では、必ず窓口で薬物アレルギーの既往について確認しますし、私自身、診察時に確かめていたにもかかわらず、アレルギーが起こってしまったのです。

私は思い切って、Oリングテストを行ってみることにしました。セミナーで学んだ方法により、投薬した3種類の薬を一つずつ、患者さんの左の手のひらに載せ、右手の指でつくった輪の力を調べてみたのです。すると、ペニシリン系抗生剤を載せたときに限って、輪が維持されないばかりか指がダラーと伸びてしまうのです。他の薬剤とは、まったく違う反応です。
「Oリングテストは本当だった!」
思わず叫んでいました。さらに、患者さんの指の輪を最も強くする薬を探し求めた結果、ひとつだけ見つけることができました。その薬を投薬して帰っていただきました。

翌日、その患者さんを診察すると、発疹も呼吸困難の症状もなくなり、見事に回復していました。まさに驚きです。ダブルパンチを受けた気持ちでした。この出来事をきっかけに、Oリングテストは私の診療になくてはならない存在となったのです。それは今日まで、ずっと続いています。

すでに、鍼灸、ヨガ、心身統一合気道、操体法の目に見えないエネルギー氣について体験を述べてきましたが、Oリングテストこそ、その事実を確かめることができる道具といえるでしょう。

■辛かった職員からの反対

しかし、Oリングテストを使っての診察をめぐっては、様々な障害がありました。なかでも辛かったのは、職員から反対されたことです。看護婦の資格をもつ職員に「世間では、先生の悪い噂も立っていますよ」と忠告されたことは今も忘れられません。また、患者さんのなかには「これは宗教ですか?」「若い女性の手に触れていいですね」と皮肉った人もいます。

その一方で、私が信じるOリングテストを支持し「やめてはダメです」と励ましてくれる職員もいました。やがてマスコミがOリングテストに注目するようになると、テレビ番組で特集が組まれ、私の診療所も取材されて世間に知られるようになりました。

大村先生とOリングテストとの出会いは、生涯かけての医療を支える貴重なものです。ホリスティック医学、統合医療もまた、Oリングテストの活用によって一層ダイナミックに語ることができますし、私が個人的に勉強していた「高麗手指鍼療法」にもOリングテストを活用できます。私のなかでOリングテストはどんどん可能性を広げていったのです。

次回は私とキネシオロジーとの関わりについてお話します

このchapter では「Oリングテスト」という名称を記載しましたが、 次回以降は「キネシオロジー」で統一いたします。筋力の変化をとらえ、身体に生じている異常などを見つけるキネシオロジーにはさまざまな方法があり、手指を使うOリングテストもキネシオロジーに含まれます。

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